MOBILE MENU - スマホメニュー -

ARTICLES SEARCH - 記事検索 -

VakaTuberは誰だ!の問題に挑戦できます!テストに挑戦!

名作! 来栖夏芽の書いた小説『吾輩はネコである』【イベント】

この記事では、にじさんじ所属のVtuberである来栖夏芽が配信内で執筆した名作の全文を掲載しています。

目次

小説『吾輩はネコである』の概要

天宮こころからのお願いで、マインクラフト内の図書館に寄贈する本を書くことになった来栖夏芽。
その内容に視聴者のみならず他のライバーからも高い評価を受けます。

後に作家デビューも果たした来栖夏芽の名作小説の内容をぜひ閲覧ください!

著者である来栖夏芽による音読を聞きたい方は下記のリンクから視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=xQk3IPvFloY

小説『吾輩はネコである』の内容

小説の内容は配信内で来栖夏芽が執筆した本の内容を引用したものです。
当サイトの管理人によるオリジナルではありません。

吾輩はネコである

2XXX年
人類の手から離れた世界

吾輩はネコである。
名前はまだ無い。

現在、絶対絶命の窮地である。
宿敵のイヌに囲まれてしまったのだ。

南無三!

きっとここが天命なのであろう。
だが、わが生涯には、成し遂げていないことがある。
吾輩には夢があった。

一度でいいから空を見たかったのだ。

この世界には空がない。
かつて地上に蔓延っていた“ヒト”なる種族が地表を滅ぼしたのだ。

現在は残されてた地下で生活をしている。

地下の資源は極めて少ない。
いつだって取り合いである。
我が高尚たる種族“ネコ”も種の存続が危ぶまれていた。
数多の他種族を配下に置いたがイヌはそれに従うことをしなかった。
自分たちの主人はヒトだと信じ、いまだに帰りを待っている。愚か者たちだ。

奴らは忠義心と引き換えに、自分の生きる道をなくしてしまったのだろうか。
吾輩にはそれが不思議で仕方ない。
今だって、その辺にあった魚を拝借しただけでこの有様である。助け合いという心はないのか!誠に遺憾である!
この魚がなければ餓えて明日にでも死んでしまうかもしれないのに!

「なにをしている!」
「ボ、ボス......!!聞いて下さいワン!このネコが魚を盗もうとしたんだワン!!」

奥から偉そうなイヌが出てきた。この群れの長らしい。長の首にはヒトに飼われていた証である首輪が光っている。

イヌの長はこちらを一瞥すると、少し驚いた顔をしたように見えた。
「ネコがこんなところにまで来ると......」
「もう近くの縄張りには食べ物がない......!徒党を組みイヌが独占しているからだ......!!」
イヌの長は大きくため息をつく。
「......話にならないな。お前たち、下がってろ」
「ボス!そいつはここいらでも有名な......」
「いいから下がってろ」
「......へい」
この長が何を考えているか皆目見当がつかないが、こいつ一匹なら吾輩でも倒せるかもしれない。
「余計なことを考えるのはよせ」
殺気を受けたイヌが落ち着いた低い声で言った。
「そんな痩せ細った身体で儂に勝てる訳がないだろう」
「やってみないと分からないではないか......!!とっととその魚を返せ!!」
「ネコもここまで堕ちたか......かつて栄華を極めていた時は他種族を従え、この地下世界の覇者であったというのに......今では盗人に成り下がる始末......」
「お前に何がわかる」
「......持って行け」
「は?」
「とあるイヌの話をしよう......その昔ひどく飢えたイヌが居てな、イヌは今にも死んでしまうのではないかというくらい衰弱していて、食べ物を探す気力もない」
困惑する吾輩に気づかないのか、イヌは話を続ける。
「そんな時、一匹のネコが現れた。もちろん敵対しているネコだ。儂はそのネコを知っていた。そのネコのせいで仲間が何人も犠牲になった。儂もここまでか......そう思ったがそのネコは儂を見ると驚いた顔をし、おもむろに自分のリュックから食べ物を分け与えてくれた」
いたずらにイヌが笑う。
「......奇妙な話だろう?」
「それは本当にネコか?」
「はっはっは!儂も同じ質問をしたよ!『お前は本当にあのネコなのか』ってな!」
吾輩とこの酔狂なイヌが同じ思考回路だなんて反吐がでる思いだ。
「そのネコが言うには、幼いころに儂と同じ模様をしたイヌに助けられたことがあるんだと。だから、儂に飯を恵んだそうだ」
「その話は吾輩に関係があるのか」
食べ物を返してもらえたので、もうこのイヌに用はない。イヌは少し笑った。
「お前さんと似てたんだよ。そのネコの模様が」
だから何だ。
「あの時のネコはもういない。戦いで負けたんだ。もう儂は恩返しできない」
だから、とイヌは縋るような、子犬のような目で吾輩を見る。
「お前があのネコの一族なら、あのネコに、恩人のネコに恩返しできると思ったんだ」
「吾輩には関係ない」
「ああそうだ。これは儂の自己満足だ」
そう言うとイヌは吾輩に背を向けた。
「もう行け。イヌは受けた恩は決して忘れない。それがイヌの誇りだ。ただ、うならば、あのネコと共に広い空が見たかった......」
吾輩はイヌの誇りなど微塵も興味がないので、イヌがまだ何かぶつくさ言っていたが早々に立ち去ってやった。
ネコは今日を生きることで精一杯だ。他人の、ましてやイヌの恩など知ったことではない。

だが、あのイヌとなら、いつか共に空を見てもいいかもしれないな、と少しだけ思った。

吾輩はネコである。
名前はまだない。

この地下で『鉛筆』なるものを拾った。
これは知らぬ誰かにも、思いを伝えることができる道具らしい。

吾輩は最期に
この物語を記す。

酔狂で忠義心の高い
あのイヌとの物語を。

吾輩と共に空を見た
あの一匹のイヌの物語を。

fin.

あとがき

2434文庫
吾輩はネコである

令和2年 11月 19日 発行

著者 夏芽来栖
発行者 来栖夏芽
発行所 Maincraftにじ鯖

落丁・乱丁本はご面倒ですが来栖までご連絡ください

イベントの記事

コメント

コメントする

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

目次