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純愛! 甲斐田晴の書いた小説『みやこいおち』【イベント】

この記事では、にじさんじ所属のVtuberである甲斐田晴が配信内で執筆した名作の全文を掲載しています。

目次

小説『みやこいおち』の概要

天宮こころからのお願いで、マインクラフト内の図書館に寄贈する本を書くことになった甲斐田晴。
最初は純愛小説だと絶賛していたリスナーも途中からホラーかと呟く事態に。

SAN値を削る、ホラーラブロマンス小説の内容をぜひ閲覧ください!

著者である甲斐田晴による執筆と音読を聞きたい方は下記のリンクから視聴できます。
https://youtu.be/Wl80Km0R1XQ

小説『みやこいおち』の内容

小説の内容は配信内で甲斐田晴が執筆した本の内容を引用したものです。
当サイトの管理人によるオリジナルではありません。

みやこいおち

今になっては少し昔。
都会からかなり離れた山の中に、のちに『ネオ祇園』と呼ばれる小さな町で、イダというランタン職人は工房を構えていた。
彼の作るランタンはとても美しく、町の建築の色々な所に使われており、そのことにイダも誇りを感じていた。
しかし、このイダという男は、ランタンを作ることに夢中になるあまり、恋というものを経験したことが無かった。
女性と話をする機会といえば、作業場に来る製作依頼のときか、遠方の村へ素材の買い出しに行くときくらいのものであった。

ランタンというのは希少価値の高いもので、ネオ祇園では多く見られるものの、他の地域にはまだ普及していない品である。
人々の中には「一度でいいからみたい」と思っている者も多く、そういった人に、ひそかにランタンを届けるのがイダの趣味であった。

ある日、イダがいつものように「ランタンのなる木」を生やす場所を探していると、小さなお屋敷から、誰かが顔を出していることに気付いた。
暗闇の中、じっと目を凝らしてみてみると、そこには儚げ表情を浮かべた女性がおり、彼女はじっと月を眺めていた。

イダは、「あんな悲しそうな表情をしているのだ、きっとランタンが欲しいに違いない」と、庭に緑色のランタンのなる木を生やすことにした。
しかし、この日のイダは制作の疲れがたまっており、いつもは一瞬で作り上げられるはずの木を、なかなか思うように作ることが出来なかった。
すると、女性は庭の人影に気付き、「そこにいるのは誰!?」とイダに話しかけたのである。
「へえ、あっしはしがないランタン職人。夜な夜なランタンの木を生やし、人々にささやかな幸せを届けているのでござナス」
「そうなんですね、ランタンというのは、どういったものなのですか?」
イダが話を聞くと、女性の名前はおハルといい、この屋敷の一人娘ということであった。
おハルは厳しい両親にうんざりしており、このまま屋敷で暮らすならば、いっそ消えてしまいたい、と思い、月を眺めていたのだという。

これを哀れに思ったイダは、この娘をなんとかして連れ出してやりたいと思い、ある提案をした。
「おハル、そなたは都とはいえ、両親にとらわれ、ここで一生を終えるのと、遠く離れた地ではあるが、美しい山の中で自由に過ごすのと、どちらを選びたいナス?」
するとおハルは瞳に驚きの色を浮かべ、少し悩む様子を見せた後に、「わたくしはあなた様と一緒にいきとうございます」と答えたのであった。
娘の覚悟をみたイダは、この娘のためなら全てを投げ捨ててもいいとさえ思い、彼女をネオ祇園へ連れて行くことに決めた。

イダはとても器用な男だったので、持っている材料を駆使して、おハルそっくりな人形を作ると、庭にそれを埋め、その上にランタンの木を植えた。
これを見つけたおハルの両親は、おハルの養分を吸ってランタンの木がなったのだと解釈し、これは後の世に語り継がれることとなった。

運命の相手を見つけたイダと、自分の世界を変えてくれる相手を見つけたおハルは、大文字焼きをも上回るような熱い熱い恋をし、ネオ祇園で幸せに暮らしたのであった。

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